「寺田寅彦記念館」わかりやすいフレーズが心に響く!科学を探求した物理学者【高知市】

今回やってきたのは、高知市にある寺田寅彦記念館(てらだとらひこきねんかん)です。

寺田寅彦記念館の基本情報(地図・アクセスなど)

名称 寺田寅彦記念館 てらだとらひこきねんかん
住所 高知県高知市小津町4-5
電話 088-873-0564
時間 9:00-17:00 水曜休み
駐車場 無料駐車場あり
HP 寺田寅彦記念館のページ

寺田寅彦博士とは?

寺田寅彦博士は明治後期から昭和初期にかけて活躍した物理学者で、「天災は忘れた頃にやってくる」というフレーズで有名な人です。

厳密にはこのとおりの言葉ではなかったそうですが、昭和9年(1934年)に出版された「天災と国防」の中に、同じような趣旨のことが書かれています。

また、昭和8年(1933年)に書かれた「津浪と人間」では、普通教育の中で人々はもっと地震や津浪の知識を身につける必要性を説いています。

巨大な地震や台風による豪雨、コロナ禍など多くの災害がつづく現在、寺田先生のわかりやすいフレーズが心に深く残ります。

※ちなみに、記念館の入り口にある「寺田寅彦先生邸址」の文字は、連続テレビ小説『らんまん』の主人公で有名な植物学者・牧野富太郎博士によるものです。寺田寅彦博士と牧野博士はおなじ高知の出身で親交が深く、「土佐で一番偉いのは誰か?」と尋ねられるとお互いの名前を即答されたというエピソードが残っています。

かつての旧居も見学OK

博士がかつて暮らした住居は高知城の近くに残って、記念館として一般公開されています。

旧居は高知市の城西公園の北側で、江ノ口川に面しているところにあります。

こちらは寺田博士が4歳から19歳まで暮らしていました。

かつては母屋や茶室、勉強部屋として使っていた離れなどがありましたが、戦災で大部分が焼失。

現在は戦災で焼け残った勉強部屋や、寺田家に残されていた設計図で復元された主屋など、市民の募金活動によって一部の建物が復元されています。

あの夏目漱石の小説にも登場

博士の父は土佐藩の下級武士でしたが、明治時代には陸軍の軍人となり、会計官として栄進するとともに、東京、名古屋等へ転居しました。

東京で生まれ高知で育った寺田博士は、旧制熊本第五高等学校(現熊本大学)や東京帝国大学(現東京大学)に進学。

熊本五高のときは英語の教師だった夏目漱石を生涯の師とあおぎ、多くの随筆をつくるなど文学面にも才能を発揮しました。

※上の写真は、現在の熊本大学(旧制熊本五高)のキャンパスにある夏目漱石の像です。

ちなみに、漱石の書いた小説「我が輩は猫である」に登場する理学士の水島寒月は、寺田博士がモデルといわれています。

博士は科学、文学だけでなく、音楽や絵画、映画などアートな面にも興味を持っていました。

特に物理論文を300本も発表するなど物理学者として有名で、寺田博士が晩年になって若い人に向けて書いた「科学に志す人へ」という随筆には、科学に対する心得が書かれています。

図書館前にある寺田寅彦の銅像

オーテピア高知図書館は高知県と高知市が合同でつくった図書館で、館内にはみらい科学館やプラネタリウムなどもある施設です。

オーテピア高知図書館の基本情報(地図・アクセスなど)

名称 オーテピア高知図書館 おーてぴあこうちとしょかん
住所 高知県高知市追手筋2丁目1-1
電話 088-823-4946
時間 9:00-18:00 月曜休み
駐車場 有料駐車場あり
HP オーテピアのページ

オーテピアは文学や科学をテーマとした建物で、建物の前には寺田寅彦博士の銅像があります。

こちらは物理学や随筆、俳句のほか、絵画や音楽などマルチに才能を発揮した寺田博士にいかにもふさわしい場所となっています。

台座に刻まれた「ねえ君、ふしぎだと思いませんか」という言葉は、博士が学生たちと話すときいつも口にしていたフレーズです。

想像力や探究心をいつまでも持ち続ける寺田博士らしいフレンドリーなメッセージが、今の私たちに問いかけているかのようです。

さらに像の右手には椿の花を持っていて、足元にも椿の花のレリーフがあります。

これは俳句の師でもある夏目漱石の「落ちざまに虻を伏せたる椿かな」を自分の研究テーマとして選んだことにちなんだもの。

「花が落ちるとき、虻を一緒に伏せ込んでしまった椿の不思議」を詠んだものですが、寺田博士は「椿はほとんど上向きに落ちるので、そんな落ち方はしないのでは?」と疑問をもち、研究テーマにしたとされるエピソードがあります。

像の後方には博士に関する説明パネルなどが掲示されています。

さらに、近くの高知文学館には「寺田寅彦記念室」があり、直筆の原稿や夏目漱石の手紙など貴重な資料が展示されています。(館内の撮影は不可)

まとめ

「天災は忘れたころにやって来る」など、わかりやすいフレーズで科学や物理について表現し、常に探究心を持ち続けた寺田寅彦博士。

そんな博士の生涯をNHKの連続テレビ小説でドラマ化してもらうため、地元では友の会を中心に署名活動を行っています。

高知城の近くにはかつて寺田博士が暮らした住居や銅像があり、来られた方に「ねえ君、ふしぎだと思いませんか?」と出迎えてくれます。

高知に来られたらぜひどうぞ。

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